掻いたら治った私のアトピー

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今でもアトピーで悩まれている方へ

 

今から書くことは、私のアトピー性皮膚炎の治療体験談であり、読んでいる方の完治を保証するものではありません。

 

しかしこの疾患で多くの困られている方に、もしこの治療法をされた事がないのであれば、もしかしたら良いきっかけになるのではないかと思い記事を書くことにしました。

 

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急激に悪化した高校生の時期

 

少し私の昔の話をします。私はアトピー性皮膚炎とは長い付き合いでしてかれこれ20年ほどになります。しかし、現在は ほぼ完治といっていいほど症状がでていません。

 

あえて言うなら、チクチクする素材のタートルネックのセーターなどを着ると首が痒くなる程度で、昔のような恐ろしいことにはなりません。

 

なぜ、そこまで回復したのか?は最後の方でお話したいと思います。

 

私は小学三年生の時の健康診断で軽いアトピーと診断されました。そのころは寒冷蕁麻疹とか軽い喘息はありましたが皮膚自体が、おかしくなるような程ではありませんでした。

 

軽症だっただけにアトピーの痒みなどにはステロイド軟膏を長期間使っていました。

 

ところが高校に進学しバスケットボールの部活をしていたのですが、練習の疲れやストレスが災いしたのかそれまでほとんど症状がでていなかった(ステロイドで抑えられていた)のに・・・・

 

忘れる事は絶対ない高校2年の夏。爆発的に皮膚の症状が悪化したのです。

 

全身にブツブツができ 猛烈な痒み 掻いても掻いても治まらない痒みがずっと続きました。3ヶ月も過ぎた頃にはもう原型はないほど 皮膚はボロボロになっていました・・・・・

 

背中は浸出液でシャツに滲み出るほどまでに、それからが私の地獄の始まりでした・・・・いろんな治療をやってきましたが、何をやっても完治にいたるとこには辿りつけませんでした。

 

私がやってみたこと
  • スキンケアを徹底的にした
  • 漢方薬を服用する治療をしてみた
  • 掻くとキズになるから手をロープでしばり掻かないように心がけた
  • 酸性水で皮膚を消毒をした
  • 多糖体を使い浸透圧で脱ステロイド作戦をやってみた

 

しかし、すべて残念な結果におわりました・・・・崖っぷちに立たされた自分は一生このままの皮膚の状態で過ごすのかと絶望と不安でいっぱいでした。

 

 

何よりも両親に迷惑もかかっているし 自分も悔しかったし、苦しかったです。

 

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親が偶然見つけた奇跡の人

 

高校卒業後 症状は悪化のままでした。そんな治療の行き詰まった時、ある番組を見ていた親が「おい!これを見ろ!」そこにはアトピー性皮膚炎の治療エキスパートとも呼べる先生がテレビに映っていました。

 

 

「この人に会いに行こう」一か八かの賭けのように、そして一縷(いちる)の希望を持ってその方に会いにいきました!

 

そこから私のアトピー性皮膚炎治療歴の中で身についたアトピーの治療の知識や理論が この先生によってすべて覆されました。

 

これがきっかけで私のアトピー性皮膚炎が治っていくサクセスストーリーが始まった訳です。

 

アトピーという病気のメカニズム

テレビでみた先生に会う為とある大学病院を訪ねました。そらく私と同じくテレビを見て先生に診察してもらいたいと、お考えの患者が凄くたくさん来ており診察を受けれたのは夕方だったと記憶しています。

 

それだけ多くの方が来られていました。ようやく私の診察の順番が回ってきて診察室に行くなり、いきなり最初に言われた事。

 

先生
君はアトピー性皮膚炎という病気がどうやって発症しているか理解して治療してるかい?

いえ、この病気がよくわからないまま今に至ります。なにをしても駄目でした。。

先生
そりゃそうだろ。理解してないで当てずっぽうの治療で改善するわけがない(笑)それで治ったら、たまたま君のしたことがヒットしただけの話だよ。

 

と、いきなり怒られたような雰囲気で、ちょっとムカ💢つきましたが、、しかし、その先生の話は妙な安心感と説得力があり、今までの医者とは、ずいぶん違った感じがしていました。

 

アトピーは、なぜ発症するのか?

 

世間一般的にアレルギー反応で出るモノを並べて言うと以下のようなもの

ハウスダスト
ダニ
スギなどの花粉
食物(卵、小麦など)

と多種にわたります。先生は、こう説明しました。人間のアレルギー発症ボーダーラインが数字で10として、各種アレルゲンにも数字を割り当てます。

 

先生が言うには、例えばハウスダストが5。ダニが4。スギ花粉が3。すべての数字を足すと12になります。このボーダーラインの10を越えるから発症すると思ってくれたらいい。と

 

極端な話ですが、どれかの数字を3減らす事ができ、発症ボーダーラインの10以内に収める事ができれば、アナタのアトピーは劇的に改善するでしょうと言われました。

 

まぁ、これが答えではないですが・・・・あくまで発症のメカニズム的な話だったと思います。そして実際に今までどんな治療してきたのかなど流れを質問されました。

 

痒いならとことん掻きなさい!

 

 

今までどんな治療をしてきたのかの質問に対して私は スキンケア(保湿剤を使っての)、酸性水で皮膚の消毒、多糖体の化粧水を体に塗って浸透圧を利用した脱ステロイド治療、漢方薬治療などをしてきました。と答えた結果

 

先生
いろいろやってるみたいだけど、それで実際に痒みは止まったの?

かゆみは止まってないです。

先生
ちなみに痒みを我慢してるみたいだけど、その我慢をどの位続けてるの?

 

掻くと皮膚から血が出るから、ずっと我慢しています。今までずっと。。

 

先生
痒いの我慢してそれだけ長い年月治ってないなら掻けばいいじゃん(ニヤリ)

 

掻くんですか?!我慢しないと傷ができてまた悪化しちゃいますよね・・・

 

先生
掻かなくてもどうせ悪いんだから、おもいきり掻いてください。とことん掻いてください

 

 

このやりとりはアトピー性皮膚炎人生の中で最も衝撃的な発言だったと思います

 

なぜなら 今までたくさんの先生に出会いましたが、掻いて下さいなんていう先生は1人もいなかったのですから。しかし、先生は、ただ適当な言葉を残したのではなく、ちゃんと先生なりの根拠があったのです。

 

掻かないことのデメリット

 

今までどれだけ痒くても 寝てる間に掻いたりしないように、手袋したり、ロープで手を縛ったりして掻かないようにずっと努力してました。

 

しかし その行為は体にとって、とても悪いことをしていたのです。

 

なぜ人は掻くのか?

 

 

それは皮膚について異物を取り除くため、人体に付着した異物を剥ぎ取るため、脳が痒みという感覚を発信し手が痒い部分を掻く。そういった仕組みです。

 

掻かなければどうなるのか?

 

痒いのを我慢して掻かなければ、どうなるのか?アトピー性皮膚炎の方は皮膚の構造上とても薄く、そして脆い状態にあります。

 

ですのでバリア機能がないため異物が皮膚に付着し刺激を沢山受けてしまいます。そこで痒みが発生しまするわけです。しかし、ここで掻く事を我慢してしまうと異物がどんどん皮膚の中に入り込んでしまいます。

結論。

この最初の痒みの時点で掻かないと、掻いても痒みがとれない深~い痒みになっていくのです。

 

皮膚の状態が悪いからこそ、すぐに掻く必要があります。異物が入り込んでからでは、その分強く掻く必要がでるので皮膚は悪化してしまうのです。

 

そのことを先生は言いたかったわけです。

 

それを言われた日から、どうせ血がでるし、この際とことん掻いてみることにしました。我慢するストレスがないぶん気楽でした。

 

お風呂に入らない方がいい?

 

常に清潔にしておかないと雑菌が繁殖して痒みにつながる。これは一般的に正しい考えだと思います。しかし一般的な清潔は本当に必要なのでしょうか?実はこれが本当は良くないと言われています。

 

たとえばジャングルに住む民族など日本みたいに石鹸もないですし、ただ水浴びするだけの人たちでアトピーの方は、ほぼいないと思います不潔がアトピーは繋がるのは、わずかと思うのです。

 

ちなみに毎日風呂にはいる習慣がある国は日本だけだそうです。外国では毎日お風呂にはいるなどという習慣がないのだそうで、先生自身も2日に1回しか入らないそうです。

 

お風呂に入らないほうが皮膚は綺麗になる。その根拠を先生は私にこう話してくれました。

 

皮膚の新陳代謝の周期は約28日。しかしアトピー性皮膚炎の人は、この周期が早く終わります。

 

新しい皮膚が生まれ、徐々に外側に上がっていき、細胞は死に28日後には垢となるですが、アトピーの方は、もっと早い段階で皮膚から剥がれてしまうということです。

 

だから完成する前の皮膚は薄くて脆いですし、皮膚の水分は蒸発していくような状態です。その状態でお風呂に入ると体温が上がり皮膚の水分蒸発が活発になります。

 

先生曰く、お風呂に入るとアトピーの人はデメリットが多いから入らないほうがいいよということです。お風呂に入らず垢ためて皮膚のバリアを保ってくださいとのことでした。

 

「垢が本当にたまると多少ゴワゴワするけど皮膚の水分の蒸発を防いでくれるのでしっかり垢はためましょうね」と言われまして、約1ヶ月間、お風呂に入ることを止めることにしました。

 

スキンケアは一切しないでください。

 

え?それじゃー 皮膚がカサカサに。。。

 

先生
ずっとスキンケアしてきて今の状態だったたんでしょ?今だってカサカサだから意味ないよ(笑)

 

笑うとこじゃないでしょ・・・

 

と思いながらも、とりあえず風呂に入らないのと、スキンケアは中止しました。先生の言うスキンケアをするな、という根拠なんですがこれに関してもしっかり聞いてきました。

 

納得して治療したかったですし今までのしてきたこと治療が真逆だから、なおのこと知りたかったのも理由でした。

 

スキンケアを中止させる理由とは

 

スキンケアを中止する理由は本来、人間に備わってる順応能力を考えると、外部から水分を与えていたら永遠に皮膚が自分で潤う能力(自分で水分を保つ)がどんどん弱くなり、皮膚自体が他力本願というような状態になるというのです

 

今すぐスキンケアをやめて皮膚自身が自分の力で水分を保持できるようにプログラムさせる為なので、そのようにしてください。とそのような理由を言っていたのです。説明を納得しスキンケアを中止にしました。

 

お風呂に入らない、スキンケアをしない経過

 

お風呂に入らない、スキンケアもろくにしないでって今までの考えで行くとスキンケア商品に結構お金もかかっていて家族の財政を圧迫していましたが、それもなくなったので良かったと感じています。

 

最初の一週間は、正直、体がべたつくような感じで、なかなか慣れない感じでしたが、一週間過ぎるとどうでもよくなってきてしまいにはお風呂に入るのが面倒な気分になってきました。

 

もちろん かゆい時は掻きます。

 

3週間目程から徐々に皮膚に変化が

 

3週間目程から すこし変化が見られました。自分で感じていたのが前ほど痒みを感じなくなったことです。自分でなんでだろうとずっと考えた結果をまとめると、おそらく

 

3週間お風呂に入らず溜めたアカが皮膚の保護に役立ち乾燥を防ぐと共に外部からの異物を体内に取り込ませるのをブロックしたからではないだろうかと思いました。

 

気づけば部屋は粉だからけ(剥がれた皮膚)でしたが、もしかするとこれは本当にお風呂に入らないほうがいいのかもと実感した日でした。

 

皮膚も掻いてはがれたのではなく本来なら剥がれるはずの皮膚がアカとして推し上がってきて、ようやく剥げた皮膚ではないかと思いました。

 

お風呂の入るのを一ヶ月やめた結果。

 

これは私的にも驚きの結果でしした。本当に今までのかゆみと比べると全く痒くないんです。しかも少し掻けば治るという、こんなにうれしいことはありませんでした。

 

先生の仰る通り垢が皮膚を保護しているおかげだと思います。ようやく温めのお湯に入りましたが、さすがに体はぬるぬるしてました。でもこの垢のおかげでアトピーがアトピーでなくなる第一歩を踏み出したんだと思うと本当に良かったなと思いました。

 

それ以降は1週間に一回のお風呂で様子見することを1年間続けていきました。その際なるべくシャワーにしていたのですが、塩素は弱い皮膚に刺激になるということで、塩素除去のシャワーヘッドを利用していました。

 

ほぼ完治した私のアトピー

 

この治療法を初めて3年。10年間もの間苦しんだアトピーがほぼ完治したのです。3年と聞くと長いかもしれませんが、回復していく中の3年は私の中でとても短く感じました。

 

先生の仰る通り治療をはじめて、本当に治る日が来るなんて正直最初は思ってもいませんでした。しかし本来の体の仕組みを取り戻せた私は今では全く生活に支障がないほど回復しており、普通に仕事も出来ています。

 

顔にもアトピーであったので接客業がほぼ100%無理だとおもっていましたが、今では人前も出ることができるようになりました。友達からも凄く顔がきれいになったねと褒められるようになりました。

 

今回は私の昔話になりましたが、もしこれを見ている同じ病気に苦しんでいた方が、この治療法をまだやったことない場合、参考にしていただけたらと思います。

 

長い記事になりましたが最後まで、ご拝読ありがとうございました。

 

最後に、私を治療してくれた先生がいる病院を紹介します。

 

先生がいらっしゃる病院はこちらになります。

今山修平クリニック&ラボ

こちらは完全に紹介状がないと診察してもらえませんので、かかりつけの病院の先生にお願いして紹介状をもらってくださいね。

 

参考になった書籍

 

 

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今山修平 先生の経歴

1975年九州大学医学部卒業。1976年九州大学大学院医学研究科解剖学。1980年九州大学付属病院皮膚科助手。1986年Yale University。1988年九州大学付属病院皮膚科講師。2001年国立病院九州医療センター皮膚科・アレルギー科医長。2007年今山修平クリニック&ラボ代表。九州大学非常勤講師(解剖学)、久留米大学非常勤講師(解剖学)。1985年日本皮膚科学会賞(皮膚微小血管とその周皮細胞の機能の研究)

こちらの本を出版されているようです。

 

皮膚病理イラストレイテッド(1) 炎症性疾患 [ 今山修平 ]

また数々の皮膚科関連の論文も発表されているようです。

アトピー性皮膚炎患者に対するスキンケアの方法と有用性の検討

Mite-Free Room (ダニ除去室) のアトピー性皮膚炎に及ぼす影響

 

 

 

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